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ハロルド・フライのまさかの旅立ちのWNTのレビュー・感想・評価

4.0
妻のモーリーンと平凡な生活を送るハロルドの元にある日北の果てから思いがけない手紙が届く。
手紙の差出人はかつての同僚クイーニーで、癌のため長くは持たないという連絡だった。
彼女にある思いを直接伝えたい、ハロルドは過去を振り返りながら人生を取り戻すように800キロの道のりを歩き始める。

病は医療でしか治せない、けれど信じる心が救えるとしたら?
信仰心のないハロルドがクイーニーを救うため、ひたすら歩き続けるストーリーが面白い。

後悔ばかりの人生で受け身だったことを悔いても過去は変えられない。
けれど今は変えられる、少しでも現状を良くするためにひたむきに歩くハロルドを見ていると心が動く。

今まで同じような変わらない日々を過ごして、夫婦の問題にも触れずに、深く考えないようにしてきたことをクイーニーのために歩くことで向き合い見つめ直していく。

乗り物にも乗らずに自分の足で歩くハロルドは力強くて、妻との関係性の変化も素晴らしかった。
離れてから気付くこと、失ってから気付くこと、行動してから分かったこと・得たこと。
それぞれの良さが詰まっていて感動した。

ハロルドに元気と勇気をもらった。
とてもいい映画で、君を想い、バスに乗ると少し重なるところがあった。
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