Miri

タイタニックのMiriのレビュー・感想・評価

タイタニック(1997年製作の映画)
4.5
いつでもどこにも
そこには人それぞれのドラマがある

抗いきれないなにかが起こったときに
人は果たしてどうするのか

うろ覚え&断片的しか観てへん映画シリーズでございます。いや、ほんまタイミング合ってスクリーンで観れて感動。しかも、午前十時の映画祭シリーズのトップバッターとか憎すぎる(個人的に今クールは当たりしかないと思っている)。

なぜ、今作が長年にわたり"名画"と言われ愛され続けるのか。なぜ、私は早くこれをちゃんと観なかったのか笑。

この春、大学院に"入院"してまだ3週間しか経ちませんが、人の心とか魂とか精神って結局なんなんだろう、臨床場面や臨床家として求められる職業倫理、人としてあるべき姿、また自分とは何者かという問いが毎日嵐と津波のように押し寄せます。そして、周りに結婚の第一波が押し寄せる中でどんなふうに生きていくのかこの先どうなるのか不安になることもあります。

そんな中で観た『タイタニック』で、なんとなくのイメージであった恋愛映画や記録映画だけとしての側面でなく、人としてどう生きるのかについて少しだけ進む方向が見れたような気がしています(実家にDVDもサントラもあって断片的に見たことあるけど、あの曇ったガラスのシーンがインパクト強すぎて幼き私には刺激強めでみちゃいけないみの観た気分でしたので笑長いことそのイメージが強かったんすね。他にもホイッスルやらおばあちゃんになったローズとネックレスやらも断片的に覚えてたんですけどね笑。 )


さて、前置きが長くなりましたが(ごめんなさい)。今作が名作たる所以は各所に散りばめられていて3時間15分という長さをほんまに感じさせへんものでした。ほんま見てほしい。

この長さで、多くの人を虜にして愛され続けてる理由をいくつか考えてみました(また長くなる)。

ひとつめ。まず、レオ様まじでほんまにかっこいいから。少年が大人になる前の危うさとか瑞々しさとかなんとも言えないベストマッチさ(個人的にはロミジュリの時がベストだと思ってますが笑)。加えて、あのキャラ。いや〜、世界中の女子がイチコロになりますわ。私もローズになりたい♡的な?笑 ケイト・ウィンスレットもハマってますよね。美人すぎなくて(失礼)、一本芯がきちんと通ってる。2人の性格やいろんな場面のあれやこれははまじで長くなるんで割愛します笑。誰が私と語ってくれ笑。あとは、2人とも目と表情とが場面場面で印象的に変わっていって引き込んでくる。2人を取り巻く人々も、名もなき乗客たちも大事な要素ですね。それぞれの人生がタイタニックというある種運命共同体の中で交錯していくのがこの映画の核のひとつ。

ふたつめ。5〜6年前に「ハーバード白熱教室」が流行りましたが、これも倫理とか哲学とかあなたがそこにいたらどうするか? どのように生きるか? という問いを大きく投げかける。そして、考えさせられる部分がただの恋愛映画、大河映画に終わらせていないから惹きつけられる。抗えない出来事が起こった時に、どうやって運命を受け入れながら抱えていくのかも伝えてくれる 懐のひろーい映画だから。自分は生死がかかっても「善き人」であれるのか。そもそも「善き人」とはなにか。

みっつめ。悲恋映画だから。なんだそりゃってかんじするけど、これがハッピーエンドだと出来過ぎててハマらなかったと思う。そして、なにより、悲恋映画は共感されやすい(しやすい)。成就したことなくても失恋は高い確率で経験したことがあって、自分のこととして置き換えて考えやすいからだと思ってます。でも、まぁ最後に救いがあるので。そこも含めてかな。

よっつめ。カメラ&カットワーク。シーンの画の撮り方が憎たらしいぐらいうまいから。あと、さりげないセリフたちもこれに加わるでしょう!

いつつめ。曲がいいから。最後のMy heart will go onなんて、ローズ本人が歌ってると錯覚させるぐらいハマってる。

なんかだんだん雑になってきましたが…
あともう一つ言いいたいのは!泣いたとこ!笑 観る前から絶対泣くやろなと思ってたけど案の定泣いた笑 泣いたポイントは人それぞれかと思いますが、最後にそこだけ書いて終わります。もうだいぶ終盤になりますが、ローズが生きるためにジャックの手を離すとこ。そして、エンドロール前のほんま最後のシーン。これふたつはずるい笑 泣かない人いんのかぐらいのシーンでした。他にもちょいちょい泣きそうになりながら、怪しかったんですがやっぱりこの2シーンかなぁ。

俳優さん女優さんの1番いいときを切り取って残してくれる映画としても見応えあり◎ シェルブールのカトリーヌ・ドヌーヴ然り、スターウォーズのナタリー・ポートマン然り。

とにかく!私のマイベスト映画にこれを加えます!
Miri

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