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ペナルティループのRURIKOのレビュー・感想・評価

ペナルティループ(2024年製作の映画)
3.5
荒木監督と宇野維正さんの上映後のティーチイン付きで観た。

映画はシリアスと思いきや私からしたらほぼコメディだった。
コメディだったよね!?
コロコロ変わるタイムループもの、おもろかった。

序盤の少しずつ違和感を与えていく感じ、見ていて飽きなかった。


上映後のティーチインは宇野維正さんという映画評論家(存じあげておらぬだった)の方と荒木監督のお二人で。
宇野さんと荒木監督は13歳の頃からの親友らしく、結構二人の世界って感じのトークセッションが前半20分ほど続いていてついていけず。
かなりマニアックな話をしていたぽいので、万年ミーハー鑑賞者の私はポカン状態。

後半は3、4名ほどの方が質問をしていた。
それらに関してはだいぶキャッチアップできたでな。

以下、視聴者から監督への質問に関して印象に残ったこと。(※ネタバレあり)

・伊勢谷友介演じる溝口が最後に描いた木の絵はあえて編集でカットした。カットするかどうかでスタッフ内でかなり揉めたらしい。ただ本作の99分と言う限られた中(始めから99分に収めることを考え、編集等は逆算しているとのこと)で最後にそれを映してしまうと視聴者の気持ちが少なからずそこに入ってしまう。これは若葉竜也演じる岩森の物語であるため、そこはカットという判断に至ったとのこと。
実際に伊勢谷友介はあの木の絵を描いているらしい。ただ美大卒なだけあって線の引き方がとても上手く、左手で描いてもらったらしい。

・本作は現在から10年後の世界を描いているらしく、VRの世界に入り込む装置が針1本で描かれているのは単に予算が無かったからなんて理由なわけではなく、現在のVRは「見る」だけでデカいゴーグルを装着する必要があり、これが味覚・聴覚・触覚などあらゆる感覚がVRの世界に入り込むとなると全身カプセルのような物になるかもしれない、が、そんなことはしたくなかったのであえてシンプルに針1本だけ装着するようにしたとのこと。「ドント・ウォーリー・ダーリン」でさえ目にも装着するシーンがあったが、本作ではそれさえもしたくなかったと言っていた。

・岩森は被害者遺族としてお金を払ってあの契約をし、溝口を10回殺すと決めた。最初に刃物で溝口を殺したのは「人を殺すこと」を実感できるのはおそらく刃物だろう、という考察から。ただ、殺しの回数を重ねるにつれて自分の鬱屈した気持ちが薄れていき、次第に「殺したくはないけれど、あと○回殺さなきゃ」の義務感が生まれてきた。そんな時にジン・デヨン演じる運営側が殺しの道具として渡してあげるのは、楽に殺せるであろう拳銃だろうと考え、後半からは拳銃が現れたとのこと。

・撮影場所の工場は福島にあるセブンイレブンのサンドイッチのレタス生産工場らしいw工場や岩森の建築模型などは人間の頭の中を映し出すジオラマ的な描写。
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