なんとも不思議な感覚となる映画だった。
とにかく説明的な描写がない。
もちろん敢えてそうしているのは分かる。
物語の導入部分で感傷的なシーンを省いているので、主人公が受けたであろう悲しみにあまり触れられなかったのは残念。
(パンフレットを読むと、そこは意図的にやったとのこと)
主人公が対峙する相手とのやり取りが、ある段階からコメディ的な感じになっていったのは面白かった。
荒木監督は前回の「人数の町」でも思ったが、音の使い方が上手い。
今回も、あるシーンでの音の使い方が絶妙。これは映画館で是非。
スタイリスト伊賀大介氏、今回もいい仕事をしている。
冒頭、空を飛んでいた二羽の鳥が一羽になってしまうワンショットが個人的には印象的。