ねこだとらきち

乱れるのねこだとらきちのレビュー・感想・評価

乱れる(1964年製作の映画)
5.0
塩田明彦さんが映画学校の講義で最初の掴みとして引用したのも納得のこりゃあ映画における「映像的演出」の結晶とも呼べるような超絶技巧の傑作だ。
 なんせこの映画互いに服を一枚も脱がないしキスもしないのに主役二人が映るシーンは脳がキリキリするほどの性的緊張感がずーっと溢れてるんだぜ
 それは本にも書いてあるように「動線」によるサスペンスや息の詰まるような閉塞感の演出がすごいんだけどそれだけでなく、序盤の卵や加山雄三に自分の皿を明け渡さないというようなフード理論的演出、さらに衣装演出までセリフ以外での画でストーリーテリングをしていく映画の技術発展の最高水準がこれでもかと詰まってるからなんだなあ

最後にも橋の演出がそれも序盤と反対の意味で提示される