乱れるの作品情報・感想・評価

「乱れる」に投稿された感想・評価

うぉぉここで終わるのか…
ラストの高峰秀子の表情が。怒りでも悲しみでも後悔でも諦めでもない、あの表情!鳥肌たった!

戦死した夫の年の離れた弟からの、ある告白を境に、平凡で穏やかな日常が、封じ込めたはずの女の情念が、乱れる…。
そして終盤、それまでの日常から遠ざかるにつれ、だんだん座席と心の距離が近づく、列車に乗ってからのシークエンスは、もう完璧。

迷い揺れる主人公の繊細な心の襞を、わずかな台詞やちょっとした仕草・表情で、丁寧に描いていく。
複雑な話でもなく登場人物も多くない、でもそのぶん描かれる感情がとても濃密で。こちらの心も、ガシッと掴まれ引き込まれてしまった。
nickname

nicknameの感想・評価

4.7
Espace St-Michelにて

怖い怖い怖い
素晴らしすぎて怖い
なんてものを観てしまったんだろう

最後の「終」に鳥肌がたつ
なんなの?なんで、、、
私はどうしたらいいの
どうしよう、、、
・・・見事に乱れる私の心

映画の、その先にあるものを見てしまったような感じがして
抜け出せない

どうしたらこんな映画作れるの??
何を見て、何を感じ、どんな生き方をしたらこんな映画が作れるの?
成瀬巳喜男の目にはこの当たり前に過ぎていく日常がどんな風に見えてたんだろう

白黒の世界のその奥に見える礼子の心は白でも黒でもなかった、凄まじい・・・

やっぱり怖い
こんな映画みたことない
情熱的な中にも、厳しい現実を押し付ける様が非常に面白かった。
終わり方は唐突すぎるが、新しいスーパーが出来たことをきっかけに、小さなお店の立場は厳しくなっていき、その変化と同時に、登場人物の関係性も変化していく構成が上手くまとめられていた。

お客がスーパーに流れ、小さなお店の店主が自殺してしまう内容や、嫌味のように『スーパーの方が安いよ』という台詞構成が厳しい現実を押し付けることを引き出していた。
ko

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3.9
雄三!!だらしのない遊び人役だけど漢気がある。SNSのないこの時代の恋物語はほんとええなと思わせられましたね。
高峰秀子強い。
いやぁ、高峰秀子よかったね〜〜
(『つぐみ』より)
あのでかいスクリーンで東宝の文字を見るだけで泣く。
弟キャラの加山雄三も良いよ。
銀山温泉で乱れるごっこしたい。
生活が乱れ、家族が乱れても、カメラはどこまでも、落ち着きを湛えた高峰秀子の、美しい所作と尊顔を追い、光を当て続ける。

それが終幕ほんの1分前で、ついに正真正銘の「乱れ」を映し出すのである。

突如として訪れた、途轍もなく大きな乱れに、いまだ心が乱れている。
Kotone

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4.0
深夜に母がいるリビングでラストシーンを一緒に観たが耳掃除をしているお風呂上がりの母に「雄三〜!!」って涙したの覚えてる
中盤以降はかなり釘付けになった。
電車の中で人が降りていくにつれて席を次第に近づけていくのとか、限られた狭い電車の空間がこんなに楽しく撮れるんだと思った。
ラストシーンを見て加山雄三の燃えた光進丸のニュース映像が脳裏に浮かんだ僕は意地が悪いのかもしれない。
angryaoi

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4.3
地元清水が舞台で、ここのロケ地通ってたー!って、逆聖地巡礼でした。
神保町シアターにいる、恐らく幼少期にこの映画と出会ったであろう人たちから、すすり泣きが聞こえてきた。それを受けてグッときたけど、どう?劇場に若い人がいるのも嬉しいでしょ?ってちょっと思っちゃったねー!

邪魔者を描く映画でしょうか、
大きなところでは、スーパーと小売店、互いに邪魔者であり、水と油。小さなところでは、高峰秀子は家族の邪魔者の立場なわけで、気の使いあい。
各々の主張は交わることなく、やりたい放題な個人戦です。コミュニケーションの不在によって、町も家族も、それぞれ閉塞感が膨れ上がっていきますね、スパーク!
tarouman

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3.5
神保町シアター

若大将はキムタクのようにいつでもどこでも若大将なので、バーの登場シーンから不埒な振る舞いは許さないぞとばかり若大将ぶりを発揮するのだが、一般人なら躊躇する嫂への懸想にもど真ん中のストレートを投げ込み、なるほどこれは若大将が適役でさすがは成瀬などと妙に感心している場合ではなく、とにかくデコちゃんが圧倒的。素晴らしすぎる。

ファイナルカットでの高峰秀子の表情はもはや世界遺産。あれを見せたいがためにあのシナリオを用意したかと思えるほど。きちんとしていた髪がここでついに乱れる。神々しいまでに美しい。ただデコちゃんと若大将のもやもやのせいか成瀬にしてはテンポが緩くここが好みが分かれるところ。

大女優の恐ろしさを思い知る一本。
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