くろいひと

乱れるのくろいひとのレビュー・感想・評価

乱れる(1964年製作の映画)
3.6

既視感のある家族構成とキャスティングのなか、本作で展開されるのは義理の姉弟のものがたり。

未亡人になった長男の嫁という宙ぶらりんな存在が、スーパーマーケットに脅かされる小売商店という作品の舞台そのものと重なりあってえがかれる。

ややテーマが散って陳腐なメロドラマになりかねないところ、メタファーとしての「橋」をはじめとするていねいな演出と、高峰秀子のきわめて充実した演技が見ものであり救い。
高峰がもっとも美しく撮られた作品のひとつではないだろうか。
くろいひと

くろいひと