くろいひとさんの映画レビュー・感想・評価

くろいひと

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荒野のストレンジャー(1972年製作の映画)

3.5


イーストウッドの監督2作目。

3人のならず者の復讐から街を守るという典型的西部劇のスタイルながら、勧善懲悪とはまったくことなる作品になっているのがよい。

裁かれるものははたして誰なのか。
また裁
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The Letter Room(原題)(2020年製作の映画)

3.4


これを100分の長編にしようと思えば、それはそれでいくらでも可能性はひろがるだろう。
はれを30分という尺のなかに過不足なく見事にまとめた秀作短編。

主人公の刑務官の人間性がじんわりと感じられて、
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ブロンコ・ビリー(1980年製作の映画)

1.7


コメディのセンスのない監督が、コメディに不向きな愛人の女優と共演するためにつくったとしか思えないほど、いたるところに穴のあるコメディにもシリアスにも中途半端な作品。

プレデター(1987年製作の映画)

1.8


戦争アクションものと思わせてからのエイリアンものという異色作。

設定がシンプルなのはよいが無理矢理感がただよい、そもそも弛緩したテンポと安易な演出にはため息をつくばかり。
シュワルツェネッガーも生
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ラスト・アクション・ヒーロー(1993年製作の映画)

1.9


登場人物と「第四の壁」を超えて交流するコメディ。
フィクションのなかのキャラクターがみずからのアイデンティティを問うことにもつながる、きわめて面白い設定とプロット。
さまざな名画のパロディに、豪華な
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さらば愛しきアウトロー(2018年製作の映画)

3.3


のんびりとしたテイストのなかで、素敵な「人生の老いかた」を見せる良作。

なんども捕まりながらも脱獄を繰り返し銀行強盗を楽しむ実在の主人公と、今作での引退を表明しているロバート・レッドフォード自身と
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愛怨峡(1937年製作の映画)

3.5


溝口健二初期の名作。

映像音声ともあまりに劣化した(そして欠落もある)不完全なかたちでしか残されていないものの、いつのまにかそれさえ忘れて引き込まれてしまう。
徹底した長回しがあるかと思えば、大
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雪夫人絵図(1950年製作の映画)

3.2


男の欲望とみずからの欲望とに振りまわされる女性をテーマにした作品だが、内容的にはどうしようもないメロドラマ。

ところどころに溝口ならではのハットさせるショットがあり、陰影を生かした夜の室内のシーン
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スタンド・バイ・ミー(1986年製作の映画)

3.1


観る年齢によってまったく感じ方がかわってくるだろう名作。
子供が大人になるすこし前の時期に「そばにいて」ほしい存在は、親でも兄弟でもなくたいせつな友人であることは、ずいぶん時間が経ってからわかること
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コマンドー(1985年製作の映画)

3.2


このうえなく単純なプロットで、撃たれても弾が当たりもしないヒーローが活躍する戦争アクションだが、それが痛快で面白い。

シュワルツェネッガーの身体がいかされたアクションがみごとなエンターテインメント
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トータル・リコール(1990年製作の映画)

3.1


フィリップ・K・ディックの小説をもと膨らましたSF作品。

美術や演出に時代を感じさせるが、エンターテインメントに徹して面白くつくられている。
物理的に矛盾やあきらかな誤謬も、笑って許せる範囲。
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メイキング・オブ・ドッグヴィル 〜告白〜/ドッグヴィルの告白(2003年製作の映画)

2.7


『ドッグヴィル』のメイクングドキュメンタリー。

良くも悪くもラース・フォン・トリアーの素の部分が見られて面白い。
ニコール・キッドマンのお説教も。
俳優たちの独白はある程度こちらがわを意識したもの
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ピエロがお前を嘲笑う(2014年製作の映画)

2.3


ハッカーたちの騙し合いをえがいたサスペンス。

トリッキーなものがたりに最後には二転三転が待っているが、それを「売り」にしているほどの衝撃はない。
最後の数シーンはやや蛇足というか、盛りあがりという
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エターナルズ(2021年製作の映画)

3.2


MCUシリーズ第26作目。

アヴェンジャーズとはあまりにスケール感が異質なキャラクターたち。
さまざまな人種、セクシャルマイノリティー、聴覚障害者という、ある種のバランスがとられた彼らのアンサンブ
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黒水仙(1946年製作の映画)

3.7


どこを切り取っても美しい絵になるパウエル監督の秀作。
時代を考えると、とてつもなくていねいにつくられたカラー作品だと言える。

高地にある修道院を舞台に、環境やあらたに出会ったひとびとが思い出させる
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さらば愛しき女よ(1975年製作の映画)

2.5


チャンドラーの原作をよくも90分にまとめたと思わせる、すっきりとした一本。

だが、ロバート・ミッチャムがやや老けすぎかつトロすぎるのが気になるのと、肝心のサプライズが映画ではどうしても効かないとい
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アーノルド・シュワルツェネッガーのSF超人ヘラクレス(1970年製作の映画)

3.3


シュワルツェネッガーの映画デビュー作。

低予算ならではの雑さはいたる所に目につくのだが、それでもなぜか画面に見入って思わず笑ってしまう痛快コメディ。
チープな映像をよく見ていると、古典的ハリウッド
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ターミネーター4(2009年製作の映画)

3.1


シリーズ第4作目というよりも、前作までとはまったくテイストのことなる作品。

キャラクターものを脱してそれなりに面白く、ひとつの映画としてていねいに作られている。
だがそれなら、中途半端にお約束のネ
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ターミネーター3(2003年製作の映画)

2.0


シリーズ第3作だが、監督の交代もあってか、ネタ満載のキャラクターものに変貌をとげた。

CG技術の発達のおかげで特殊演出はこなれており、前作にくらべると格段に「破壊しまくる」アクションも派手で見応え
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ターミネーター2(1991年製作の映画)

3.1


シリーズ第2作。

前作の無駄のないシンプルな構成を捨ててまで取り入れた、機械との人間的な交流のドラマが成功している。
いろいろな意味で、より大衆むけエンターテインメントな要素がつよくなった。

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ターミネーター(1984年製作の映画)

3.2


シュワルツェネッガーの名声を決定的なものにしたシリーズ第1作。

プロットにいっさいの無駄がなく、映画としての構成がじつに見事。
(もっとも重要な伏線は早々とわかってしまうのだが)
もったいないのは
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サンタクロースになった少年(2007年製作の映画)

3.4


まるですてきな絵本を読んでいるような、やさしい雰囲気をまとったファンタジー。

これ以上でも以下でもないシンプルなものがたりが、細部まで統一感のある世界観のなかでセンスよくえがかれている。
ひとりと
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血を吸うカメラ(1960年製作の映画)

4.0


発表当時はその過激な内容により、パウエル監督の失脚につながった問題作。
だが、狂気となるニードルの性的なメタファー性をはじめ、当時の制約のなかで生み出されたアイディアはさすがとしか言いようがない。
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落下の王国(2006年製作の映画)

4.1


事故の怪我からたちなおれないスタントマンと、彼の語るものがたりに耳を傾ける少女との交流がつくりだす映像芸術。

スタイリッシュにも見えるスタイルのなかにあるのは、傷ついたもの(おそらく監督自身の精神
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きっと ここが帰る場所(2011年製作の映画)

3.6


ショーン・ペンの怪演が印象にのこる異色作。

ひとりの精神を病んでしまったミュージシャンが、亡き父親のやりのこしたものを追って旅するうちに、本当の意味で「大人になる」までをえがく。
そこにナチスドイ
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イル・ディーヴォ 魔王と呼ばれた男(2008年製作の映画)

3.0


イタリアの悪徳政治家ジュリオ・アンドレオッティの伝記映画。

どこを切り取っても絵になる構図と、光と影の美しいコントラストが印象的な映像美はソレンティーノ流。
ただし構成としてはやや平板で、やや映画
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ブラック・ウィドウ(2021年製作の映画)

3.1


MCUシリーズ第24作目にして、フェイズ4の開幕となる一本。

ブラックウィドウの幼少期、また『シビル・ウォー』から『インフィニティ・ウォー』にいたる時期の活躍がえがかれる。
レッドルームのウィドウ
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嘘八百 京町ロワイヤル(2019年製作の映画)

3.3


続編に名作なしというジンクスをはねのけ、うまくつくられた第二作。

ぜひまた続編をと思わせる心地よいテンポは今作でも健在だ。
ただ、クライマックスになる中継シーンは、もっと緻密にアイディアを練られた
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嘘八百(2017年製作の映画)

3.5


陶芸と古物商の世界で活躍する詐欺師を主人公にしたコメディの良作。
もちろんリアルに考えれば、こんなかんたんに騙せるような業界ではないだろうが、それさえ許せる安心感。

なんと言っても中井貴一と佐々木
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喜劇 初詣列車(1968年製作の映画)

2.8


シリーズ第3作。
前作、前々作にくらべて浅草軽演劇ののりが強く、のちの『男はつらいよ』シリーズを思わせるシーンがおおい。

当時の東京の街、若者の文化を(もちろん誇張されたかたちだが)垣間見られるの
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喜劇 団体列車(1967年製作の映画)

3.0


シリーズ化された第2作目。

前作よりプロットが錬られているので、こちらのほうがドラマとしては面白い。
その反面、列車というシチュエーションが必然でなくなっているのは寂しいが。

喜劇 急行列車(1967年製作の映画)

2.8


『男はつらいよ』映画シリーズ以前の渥美清が主演。
若いときの大原麗子がキュート。

いまとなっては時代は感じさせるが、全体のながれとひとりひとりの個性あるキャラクターが生かされているのが面白い。

柔らかい肌(1963年製作の映画)

3.3


ストーリーだけをみれば、どこにでもありそうな典型的な不倫の話。
しかし、だんだん深みにはまっていく具合と、からまわりしていく様子はみごとで、ガソリンスタンドのシーンなど印象にのこるシーンもおおい。
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決算!忠臣蔵(2019年製作の映画)

3.5


あまりにも人口に膾炙した忠臣蔵の世界を、経済的な内輪話としてまとめた痛快なコメディ。

はじめのうちはライトな時代劇コントかと思いのほか、そのテンポのよさがきわだってくる後半からはなかなか見どころ満
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ゲット スマート(2008年製作の映画)

3.5


パロディ要素満載の素晴らしく楽しいスパイコメディ。
スティーヴ・カレルとアン・ハサウェイの息のあった名コンビぶりに拍手。

はじめはその笑いも単発的で低空飛行だが、後半のってきたあとは抜群に面白い。
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逃走車(2012年製作の映画)

1.5


ほぼ全編が主人公の乗る車のなかに設置されたカメラで撮影されるという、面白い試みが見られるカーアクション。

ただし、肝心のカーチェイスは平凡。
脚本もカメラワークもあまりほめられたものではなく、せっ
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