クドゥー

駒田蒸留所へようこそのクドゥーのレビュー・感想・評価

駒田蒸留所へようこそ(2023年製作の映画)
4.0
『繰り返し回転する時代に、変わらない芯となるもの』

家族の蒸留所を受け継いだ若き女性社長が新米編集者と事業の復活を目指す吉原正行監督作品は、望まない道が仕事になっていくまでの過程が淡々と内なる熱さの中で醸成されていき、次にいい店に行った時はウイスキーを飲みたくなるお仕事アニメーション映画の傑作。

蒸留所の知識はそこそこに最初から好感度0で時間内に好きになれるか不安な男が経験を重ねて、展開としては仕事を通じた家族の話としてその他要素を余白と余韻に委ねる決意だが、被服美人に「この後時間あります?」と誘われてバーとか僕なら絶対好きになってる。

ブライア姉弟やあやせルートなど僕的には大変喜ばしいとしか言えないキャスティングの中でも、今時の若者のテンプレを超える生っぽさで主人公足るCV小野賢章の成長曲線に加え、二次創作に「原作よりも親密」と言うセンスの塊みたいな会話の質感にニコニコした。
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