ぐっぴー

四月になれば彼女はのぐっぴーのレビュー・感想・評価

四月になれば彼女は(2024年製作の映画)
3.5
原作は未読だったので、どういう展開かわからない状態での鑑賞だった。
物語の中「愛を終わらせない方法とは」と出てきて弥生が「手に入れない」ことと言っていて、学生の頃は確かに手に入れるまでが一番良かったりするなと思った。でも、手に入ってからどうするかの方が大事だなと今は思う。
川村元気さんと山田監督の対談の中で、終わるものは必ずしも悪いことではなく、終わる物にこそ惹かれたりする。何もなくすぎた5年と傷つくことがあったりしてすぎた5年では後者の方がよいと思うというような幸福論や死生観に関しての話を聞けてとてもいい機会になった。
藤代に共感するわけではなかったが、たすくに言われていたように「安全圏から見て…」という部分には自分自身が何もしない5年を過ごしているタイプだなと対談の中で思うものがあった。


春が言っていた「目に見えないものを撮りたい」というのはけっこう印象に残った。
春のようにフィルムカメラを使っているのだが、まさにきっかけが、その時、自分が感じた記憶や質感みたいなのを一枚一枚丁寧に残せたらいいなと思い始めたのを改めて感じることができた。

映画の感想から外れてしまうが、たまたま試写会後に山田監督が撮影した森七菜さんの写真集が届いていて、映画で描かれていない春の旅を見れた気がしたが、途中から勝手な想像になってしまうが、春が藤代の旅行に行っていた世界線の写真じゃないかと思いながら見た。映画も写真集も同日に見れるいいタイミングだったんだなと思った。
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