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四月になれば彼女はのcwのレビュー・感想・評価

四月になれば彼女は(2024年製作の映画)
4.3
この映画は空気感に香りがあって知っているような知らないような。その絶妙なバランスがとっても心地良い。心に残るシーンをはっきりと思い返せます。きっと観たらわかってくれる人が居ると思いたい。
この映画にもこのような描写があったが、歳を重ねるごとに愛の種類が増えていくように感じました。でも一貫してることは必ずあるし、その大切なところに気付かされました。そんな映画でした。

映画というジャンルに対して言葉下手な私の考えを少し綴らせてもらおうかと思います。
映画には、自分とは全く違う世界観だったり非現実的な体験のストーリーによって、今を生きる自分の身とは別の人生を歩んでいるみたいな感覚になれる映画と、映画の中の登場人物に感情移入し、取り込まれていく映画。この二つが大半を占めていると思っていて、この作品は後者でした。
だからこそ見てる最中と直後どこか少し自分の内面に対して怖さを覚えました。
きっと、どこかしらに共感し、自分を重ねて鑑賞する人が沢山いると思います。
私はそのことに対して良くも悪くもあると思っていて、自分がその映画に取り込まれてあたかも映画の中のキャラクターの心情を自分が思っていることのように思い込んでしまう錯覚に陥る。
でも今このタイミングで私はこの映画を見て感化された。と言う事実は紛れもなく自分の感覚としてたしかにそこにあってそのタイミングであることは偶然でも必然でもあり運命であると思います。
そう考えると自分の感情の全てを受け入れたくなる。たとえ映画に影響されて自分の考えが変わったとしてもそれは流されたわけではなく運命だったのだと私は思ってしまう。これが映画や芸術の面白いところにつながります。

だからこそ自分の中にある何かをこの作品を見たことによってどう引っ張り出されたか。どう変わったか。そこが大切です。
この映画の核となっているのは「愛を終わらせない方法」
自分にとっても主人公にとっても、それが何だったか、考えずとも見終わった後に湧き出てきました。自分の中で手繰り寄せるには十分過ぎるほどそのヒントは沢山転がっていて、その感覚を味わうのも一つの楽しみとしてあると思います。

「愛を終わらせない方法」
あなたはどう考えますか。
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