ハル

四月になれば彼女はのハルのレビュー・感想・評価

四月になれば彼女は(2024年製作の映画)
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愛は佇まいなのかな。あの日、馬と過ごしてわかったけれど、彼らは言葉もなければ触れてきたりもしないけれど、私の存在を認めて、許してくれている。私が向けた視線をただ受けとめてくれる。その優しい佇まい。向き合っているだけで、心が溶けていくような恍惚。馬そのものが愛で、私そのものも愛になれば、二者の間に愛は育まれる。どちらかがそれをやめれば、愛はそこから枯れていく。どうしたら愛せるかとか、どうしたら愛を終わらせずにできるのかとか、考えても無駄だよ。まずは私がその対象の前で、嘘をつかずにありのままで佇めるのか、その対象は嘘をつかずに、ありのままで私の前に佇んでくれるのか。それを互いに感じとることができるのか。どんな論理を捏ねくり回したって、自分と相手がそのものであれないなら、愛は生まれない。言葉や態度に愛を求めても、探しても何もわからない。
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