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裸足になってのLifewithmoviesのレビュー・感想・評価

裸足になって(2022年製作の映画)
5.0
2023年7月27日@MOVIX京都からの、8月6日2回目鑑賞して、評価変更(up)
第72回カンヌ国際映画祭「ある視点」部⾨正式出品『パピチャ 未来へのランウェイ』のムニア・メドゥール監督の新作
前作主演のリナ・クードリと再びタッグを組んだ作品。再び、アルジェリアが舞台ですが、今回は、90年代のアルジェリアで起こった内戦いわゆる<暗⿊の10年>の頃ではなく、20年後の現代が描かれていく。
リナ・クードリのダンスシーンは圧巻で素晴らしい。言葉を失い、手話という新しい言語を獲得する。最初から最後まで、彼女の全身を使った表現力が圧倒的で、自由、希望、抑圧などなど、スクリーンから溢れてくる。
一方で、その背景として描かれるアルジェリアの女性の姿があまりに酷い現実で、心の置き所が難しい。国内でのイスラム教信者による女性差別や抑圧の問題、内戦後のイスラム救国戦線やテロリストの根絶ができない社会の問題など。現在も、特に女性や障碍者が抑圧されるアルジェリア社会の闇が深く横たわっていて、辛い。
この作品は、描かれているテーマが多様で、また、深く、一度では理解できないので、2回目を鑑賞して、より理解度も評価も上がった感じ。ぜひ、多くの方へ観ていただきたい作品。
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