日本人であれば、特に熱くなれる作品だと思う。ソニー・コンピューター・エンタテインメントが作った「グランツーリスモ」というゲームを、ソニー・ピクチャーズという映画配給会社が製作。そして実話の出来事はほとんどしなかったが、日産がスポンサーとして絡んでいて、東京も出てきてと、かなり日本の要素がテンコ盛りな作品だった。日本へのリスペクトが非常に強く、ハリウッドで良くあるエセ日本の姿は一切なく、ちゃんと日本でロケをしている事が伝わった。肝心のストーリーも大学に行かずにゲームに明け暮れる少年が、グランツーリスモを通じ、本物のレーサーになっていく過程がとても素晴らしかった。主人公の努力や才能も素晴らしいが、彼を支えたエンジニアとの関係性にはとても心が熱くなった。マーケティング担当の嫌らしさや父親のゲームを見下した態度など、決して綺麗事だけを描いていない点も実話を元にしたという事もあり、とても良かった。ソニーはゲームのIPが沢山あるのだから、このような素晴らしい作品を今後も沢山輩出して欲しい。あとはこれが現実という事にいまだに驚きを隠せない。まさに事実は小説よりも奇なりだ。
