BC

ジャンヌ・デュ・バリー 国王最期の愛人のBCのネタバレレビュー・内容・結末

3.8

このレビューはネタバレを含みます

建物や建物の内装、衣装が絢爛豪華で女性監督&主演となると、
少女漫画ぽいコスプレオンパレードのロマンス映画になるのかな?
とも予想していたけど、背景の華美さとは対照的に
物語は無駄なく淡々と進んでいったのはフランス映画らしい気もした。
時代の流れもキッチリ伝えていたので伝記映画として成り立っていたと思う。

ルイ15世は“最愛王”とも称される王なので好色男ぽく色気全開で演じるのかと思いきや、増量した役作り?で色気は出さず終始抑えた演技。
宮廷で王位を宿命づけられた出自の風格はあるものの、寡黙な普通の男性に見えた。
ジャンヌに惹かれたのも下心ではなくて、自分にはない自由さというか
しがらみにとらわれず突き進んでいく姿に惹かれたのだろう。
純粋な愛だったんだろうと思わせる説得力があったよ。

ジョニーはアメリカ人だけど、髪色も瞳の色も含め東洋的な容姿なので
フランス人の役はどんな感じになるんだろう?
と一抹の不安はあったけど、そういう細かなことは気にならなかったというか、
役に合う合わないの観点ではなくて、
この人(ルイ15世)はこういう人柄なんだなとすんなり観れたんですよね。

マイウェンがジョニーの初期の頃の作品(『パイカリ』でブレイクする前のアート系の監督作に出ていた頃)を観てオファーしただけあって、
言葉にならない心の機微を映し出しているような寂しげな瞳が復活していて
久し振りに私が観たかったジョニー・デップの演技が観られたような気もした。

スキャンダルもあったので、ハリウッドのメジャー映画出演は厳しい状況かもしれないけど、
この作品のようにヨーロッパ映画やハリウッドならインディーズの映画で活路を見いだせると良いな。
BC

BC