para

瞳をとじてのparaのレビュー・感想・評価

瞳をとじて(2023年製作の映画)
4.5
ラストで初めて理解するタイトルには様々なものが詰まっていて秀逸。

喪失と映画愛…そして再生(希望的観測)

始まりと終わりの二面性
ヤヌス像が意味するものが最初はわからなかったが
あちこちに伏線があり、ラストは泣けました。
誰の人生においても残酷な面と優しく美しい面があり、また時間は美しい瞬間で止めることは出来ず、過ぎ去った時は戻せない。普遍の真理。

それでも映画の中では時間が止まる。
ドライヤー以降映画の「奇跡」は〜のくだりも含め、映画が持つ力を示されたようにも思う。(自己解釈)

残像を残して繋ぐ映像も余韻が残り本当に素敵でした。

映画の筋とは別で
アナ・トレントの瞳の力と眼差しが『ミツバチのささやき』の頃と変わっておらず、人は歳を重ねて容姿が変化しても変わらないものがあるのだなと感慨深いものがあった。

仕事でテンパった頭でかつ寝不足でも、スクリーンに映るものが例え皺であっても繊細で美しく、約3時間近く集中途切れることなく鑑賞しましたが、映画に「動」を求める人には向かないかも。

おまけ
カリ(ワンコ)が名演技。愛犬(飼い犬)なのかな?
para

para