ビーバーのしっぽ

瞳をとじてのビーバーのしっぽのレビュー・感想・評価

瞳をとじて(2023年製作の映画)
4.1
「ミツバチのささやき」はフランコ政権化でまるでソ連映画のようなタッチでしたが、こいつは明確な伏線を回収していくミステリー仕立て。ほとんどは情報量を絞ったシンプルな映像、カメラ初心者の「おじさんポートレート」みたいな中望遠の「絞り開放」「日の丸構図」が多いんだけど、最初と最後のいかにもエリセ監督らしい高密度の映像との対比が良いです。シンプルでとても観やすいのですが、いくつもテーマが重層になっていて深い。本当に観て良かった。3時間近くありますが、配信ドラマのようでいて映画。83歳の監督ともなると抽象的で訳のわからない作品が増えてきますが、現代的なテーマも具体的に描くエリセ監督は若い!