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瞳をとじてのO客のレビュー・感想・評価

瞳をとじて(2023年製作の映画)
4.4
エリセ31年分ぶりの長編映画とのことで
数十間の記憶、こうなればよかったという思い、そして現実を
行き来するエリセにしかとれない映画。

テレビのキャスターとは正面で話し
昔の恋人とは正面のちにピアノ越し
ついに探し当てた昔の友人とは横並びと
想いが強いほど、かける声がよそよそしく
全体は会話劇なのに、友人2人の会話は
もやい結びや歌といった会話でないものになっていく。

過去作からのセルフオマージュを使いながら
記憶をつむぐように物語を進めるのは
ニューシネマパラダイスを見るよう。
本作のアナトレントは
ニューシネマパラダイスのブリジットフォッセーのようでした。
しかし、本人自身が映画史の中にいるので
懐かしい想いも悔やんだ想いもいろんな想いがつまった
作品になったように感じられました。
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