あ

瞳をとじてのあのレビュー・感想・評価

瞳をとじて(2023年製作の映画)
3.8
瞳を閉じればあなたが、まぶたの裏にいるのかな...?

消極的なレミオロメン

娘が扇子を広げてポーズを決めた時、悲しみの王の中で、間違いなく娘だとなるところが非常に印象的でしたし、あの娘役のビョークみたいな顔も記憶に残るいい顔でした。ただそれが本編の父娘の関係にどう結びつくのかがいまいち分からず...

「ミツバチのささやき」を期待していったら「エルスール」が出てきた感じです。前者は子供の空想が現実味を帯びてくるところに内戦を通じた大人の世界が動いてくることが冒険的に語られていて、静かで壮大な物語という感じですが、後者は娘から父への思慕の一点張りで終わっていて、非常に狭く個人的な話に映ってしまいました。

本作は間違いなく後者寄りで、記憶への肉薄ぶりは本作の方が感じられるものの、瞳を閉じてもいまいちなにも浮かんでこない映画に落ち着いてしまっていた印象です。

失踪した映画監督、未完成のフィルムという設定は、割と初心者が最初に思いつく捻った設定のようにも思いますが、本作が実は全く無名の学生が作ったとなっていたらどういう評価が得られるのでしょうか?その答えを考えつつ冷静に見るべき作品だったように思います。
あ