ShotaOkubo

瞳をとじてのShotaOkuboのレビュー・感想・評価

瞳をとじて(2023年製作の映画)
5.0
ショットのさまざまな形式や長さの違いにもかかわらず、そこに動員される映画的な技法は、切り返しというごく単純なものにすぎない。
それでいながら、この作品は映画が不意に映画自身と出会ったときだけに姿を見せるはてしない拡がりへと向けて、ゆるやかに踏みこんで行くかのようなのだ。この瞬間、スクリーンには、鈍くはじけているような動揺が拡がってゆく。記憶装置という映画そのものの定義が、呆気ないほどの単純さでいつの間にか実現されていることへの深い動揺を、誰もが覚えずにはいられない。
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