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瞳をとじてのchikudamaxのレビュー・感想・評価

瞳をとじて(2023年製作の映画)
4.2
「ミツバチのささやき」から半世紀近くになるビクトル・エリセ監督の新作に再び出会えた。また、アンナ・トレントが時を経て出演し、時間軸を越えたストーリーの重なりと交わりを見たような気がする。寡作の巨匠と謳われるエリセの作品には、商業的な色気は全くない。この作品には二つの映画が存在する、虚構劇的なものと現代劇的なもの。そして、そのどちらも父と娘の関係性を描いている側面。アンナの眼差しが五歳の頃の彼女と現在と同じようにオーバーラップして見える。また、もう一つの側面はエリセ自身の視点で、映画を愛してやまない作風が滲みでているところだ。
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