chikudamaxさんの映画レビュー・感想・評価

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わたしは最悪。(2021年製作の映画)

3.7

日本語タイトルはイマイチだが内容は凄く良い。人生には失敗はつきもの、一番目に目指しているものより2番目くらいがベスト。
彼女は最悪でもなんでもない、常に一生懸命生きている。出会いも一番だと思う人よりも
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冬時間のパリ(2018年製作の映画)

3.2

デジタル化の波に飲み込まれてゆく時代を背景に大人の男女が葛藤する。不倫、真実の愛とは何か?個人主義の国で繰り広げられる男と女の揺れ動く内面の根底にある蟠りを描く。

PARIS(パリ)(2008年製作の映画)

3.3

男と女、生と死、老い、そして恋愛の果てに恋多きフランス人が見る成れの果てとは?パリの街並みが哀愁を醸し出し、日常の幸せも悲しみもすべてを包み込む。

金の糸(2019年製作の映画)

3.5

人が人を愛し愛されなくなったら後は廃人と化すしかないだろう。記憶を失い彷徨う彼方に夢を見る。過去を乗り越えたなら未来を楽しむしかない。90歳の女性監督が描く老いとは?

アルマゲドン・タイム ある日々の肖像(2022年製作の映画)

3.9

アメリカを象徴する家族と社会、そして多民族国家ゆえの人種差別。アンソニー・ホプキンスのグランパ役が厚みを増し、ストーリーをより深いものにしている。ユダヤ人とウクライナとロシアの深いキズに黒人へのレイシ>>続きを読む

BLUE GIANT(2023年製作の映画)

3.8

Sonny Stittのレコードに針を落とした瞬間から引き込まれた。バンドの演奏シーンをアニメでここまで表現できるとは想像を超えていた。また、上原ひろみの音楽がより異才を放って素晴らしかった。
これは
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ケス(1969年製作の映画)

3.6

イギリスの労働者階級の家庭に育ち、将来に夢も希望も持てずにいた少年。空を自由に飛びまわるタカに気持ちを重ね、閉塞感のある境遇を忘れようと飼育するも‥。
ケン・ローチ監督の一貫した社会の歪みに焦点をあて
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ともしび(2017年製作の映画)

3.7

老人の営みと苦痛が静かに描かれている。喜びと悲しみの果てに行き着く場所は生への先に存在する幻なのか?時は容赦なく過ぎて肉体と精神を蝕み、やがて朽ち果ててゆく。シャーロット・ランプリングの存在感がこの映>>続きを読む

アステロイド・シティ(2023年製作の映画)

3.8

ウェス・アンダーソンの世界。
豪華ベテラン俳優たちが物語に飲み込まれてゆく。そして、舞台装置とカメラワークが独特の世界へ導き、おとぎ話のように紡がれる。役者達が感情を押し殺したような無機質とも思えるア
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日の丸~寺山修司40年目の挑発~(2022年製作の映画)

2.8

日の丸とは?
敗戦国の旗?
右翼?カルト国家?
誇り?うしろめたさ?
世界でもっともシンプルな旗?
美しい旗?
愛国心?
誰が作ったの?
戦争?
情念?
国家観を持てない国民の悲哀?
血と骨?
日本人
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瞳をとじて(2023年製作の映画)

4.2

「ミツバチのささやき」から半世紀近くになるビクトル・エリセ監督の新作に再び出会えた。また、アンナ・トレントが時を経て出演し、時間軸を越えたストーリーの重なりと交わりを見たような気がする。寡作の巨匠と謳>>続きを読む

マンハッタン(1979年製作の映画)

3.7

都会派ウディ・アレンの真骨頂と謳われたのは昔のはなし、今の彼にとっては時代の流れで見方が変わる人も多い。しかし、この時期のウディは天才的な新進気鋭の映画作家で素晴らしい作品を創出していた。この作品の評>>続きを読む

ミステリー・トレイン(1989年製作の映画)

4.0

メンフィスの捨て置かれた、何処か裏寂しい街並みが、登場人物たちをひきたたせる。ミステリアスなホテルや列車の警笛がより一層物語を深い渾沌へと導き、三組の登場人物たちのストーリーが同時進行で紡がれてゆく。>>続きを読む

ざわざわ下北沢(2000年製作の映画)

3.5

見逃していた作品に再び出会えた。アシスタント時代に何回かCMの現場で市川さんとご一緒させて頂いた、この作品のスタッフもよく知る仲でお祭りのような現場が目に浮かぶ。下北沢は今もざわざわと変わらずニューカ>>続きを読む

名付けようのない踊り(2022年製作の映画)

4.0

田中泯自身が芸術作品である。
犬童一心監督の優しい眼差しがドキュメントで包み込み、田中泯の人生を踊りと共に浮き彫りにしてゆく。

伯爵(2023年製作の映画)

3.4

独裁者にあり得そうな思惑が、肥大した世界観に吸血鬼という存在感を同化した虚構。そのエログロ感が全編を覆う物語は、ありそうであり得ないジレンマに引き込まれる。笑えるか笑えないかはさて置き、吸血鬼映画の刹>>続きを読む

ROMA/ローマ(2018年製作の映画)

4.2

カメラワークの秀逸さもさることながら、美術セットや人物の動きや大勢のエキストラたちの演出まで非の打ち所がない。ネトフリが巨額の予算で豪華俳優陣に散財する作品の多い中、作品そのものにお金を注ぎ込んだクオ>>続きを読む

愛しのタチアナ(1994年製作の映画)

3.8

シュールすぎるカリウスマキ監督。何故か病みつきになる監督のひとり、この空気感にまとわりつくクールで朴訥なスタイルがたまらない。この世界観は喜劇と悲劇が交差するコレスポンダンスそのものだ。

ストレイト・ストーリー(1999年製作の映画)

3.9

僕たちは確実に年を重ね、老人たちの仲間入りをする事になる。その終焉をどう締めくくるのかは、人それぞれの歩みによって違う。デビット・リンチにとっては異質かと思えた本作品も、彼にとってはその歩みの道程にあ>>続きを読む

鉄男 TETSUO(1989年製作の映画)

3.6

クローネンバーグも真っ青、リンチも凍りつく。愛のコリーダの変愛を超えたカルト、塚本晋也監督の才能が爆裂。これ以上の気持ち悪さと奇怪さは他に類をみないだろう。唯一インディーズにありがちな、コミカルで早熟>>続きを読む

BULLET BALLET バレット・バレエ(1999年製作の映画)

3.1

塚本晋也監督の世界観が、モノクロームの映像と共に独特でフォトジェニックな画に日本のヌーベルバーグを感じた。しかしながらインディーズの域を抜けきれてないのが残念。素晴らしいキャストたちの中にあって、唯一>>続きを読む

ハンガー(1983年製作の映画)

3.8

映画館で見た記憶があるもののストーリーが思い出せなかった。
ボーイとドゥヌーブとサランドンというキャストが凄い強烈な印象を残すものの、それ以外は思い出せなかった。バウハウスのトップカットは好きなバンド
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オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライヴ(2013年製作の映画)

4.5

気高い者たちの憐れみの狂想曲にのせて物語は流れる。ティルダ・スウィントンの透き通る青白き肌感が、いっそう吸血鬼を思わせる。1世紀に満たない人生が物足りなさを感じる様なラブストーリー
。深夜に冷えたBl
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デニス・ホッパー/狂気の旅路(2017年製作の映画)

3.1

デニス・ホッパー、彼の存在感の大きさは計り知れない。
イージーライダーから始まる彼の映画人生は、才能と狂気に満ちた世界だった。

コーヒー&シガレッツ(2003年製作の映画)

3.8

たわいもない会話がモノクロームの映像の中、コーヒーとタバコで弾む。僕はタバコを辞めてから10年以上経つが、タバコの効能というやつは未だ肯定的だ。煙をくねらせ思惟し、会話する時間は無駄な様で大切なひと時>>続きを読む

Valimo(2007年製作の映画)

3.2

4分の映画⁈Bicoの5分のドキュメントもそうだが、情報量とか映像と音とが凝縮されたアキ・カリウスマキ監督のタッチが見どころ。日本の大手広告代理店がCM制作丸投げしそう!vimの様に。笑

ラッキー(2017年製作の映画)

4.1

少年の様な老人、いや老人の様な少年とも言えるのか?ハリー・ディーン・スタントンの存在感がこの映画のすべてであって、最高の遺作である。パリ・テキサスでみせた哀愁漂う男の役は、彼以外には演じきれなかっただ>>続きを読む

ファースト・カウ(2019年製作の映画)

4.3

この素朴さは別の一面を持ったアメリカ西部開拓直前を背景にケリー・ライカート監督らしいタッチで紡がれている。彼女の作品にはいつもアザーサイドのアメリカが描かれ、西部劇のような姿はここにはない。アスペクト>>続きを読む

天才たちの頭の中~世界を面白くする107のヒント~(2019年製作の映画)

2.2

クリエイティブとは?広告的なものは胡散臭さが介在するが、それが資本主義の物欲から生まれるものなら欲求の創造といえる。社会主義や共産主義から生まれたものであればそれは生への懐疑的な創造なのかと。誰もが持>>続きを読む

ジャヌスとサムの酔っ払い道中(2023年製作の映画)

3.6

壮大な景色とは裏腹なストーリーとキャスト。微笑ましくもあり、切なくもあり、どうでもよくもある。嫌いじゃない不思議な作品は心のどこかにこんなもんだよと思わせる。理想とかは現実に必要のない世界にこそ存在す>>続きを読む

Bico(2004年製作の映画)

3.7

妖精の様な村人たちの暮らしと山々に閉ざされた村。素朴というよりもシンプルすぎる人々の営みは、アキ・カウリスマキならではの視点で綴られたドキュメント。

破局(1961年製作の映画)

3.1

小さな災難が積み重なり、大きな災難に。よくある些細なトラブルが連続し、コミカルに流れるお芝居が微笑ましくもあり切なくもある。ピエール・エテックスの演出、演技が喜劇の王道のようなプリミティブさを味わえる>>続きを読む

ケイコ 目を澄ませて(2022年製作の映画)

3.9

日本映画の中で久しぶりに出会えた秀作。日本ではあまり見られない柔らかなトーンと唸らせるロケーション、岸井ゆきのの演技と三浦友和の存在感が素晴らしい。もうひとつのパーフェクトデイズ的な作品、やはり悲哀を>>続きを読む

ショーイング・アップ(2023年製作の映画)

3.2

いつもながらのケリー・ライカート作品、たんたんと流れる日常。ミシェル・ウィリアムズの素朴な演技が魅力的でラストシーンがまたじんわりと余韻を残す。

あなたを抱きしめる日まで(2013年製作の映画)

4.0

スティーブ・クーガンとジュディ・デンチの名優が織りなす実話を元にした作品。シリアスな問題のストーリーをユーモアを織り交ぜながら綴るセンスと知的さが、いかにもイギリスらしい。ジュディの愛らしい老人役が微>>続きを読む