【希望】
「ローマの休日」は本当にファンの多い映画だと思う。
この時代、こんな物語を撮ることが出来たのかと、人は希望を決して捨てない生き物なのだと思った。
シンプルな物語だし、まあ、そうなるだろうなみたいな展開だが、それでも観る人の期待を超えてくる楽しさや、身分など関係なく人とはこうしたものだという人物表現、それでもやっぱり叶わぬ恋、そして、普遍的と呼んでも差し支えないような希望を提示しているからだと思う。
(以下ネタバレ)
アンがブラッドレーとの別れ際に「あなたは、振り返らずに行って!」というセリフの後にする抱擁とキスは、多くの人々にとって胸キュン🫰だろう。
「ローマの休日」は、第二次世界大戦が終わり、10年を迎えようとする頃に公開されたヨーロッパが未来に向かって前進していることが分かるような作品だ。
映画の中で”ヨーロッパ連合”について話される場面がある。
この作品が公開されたのは1954年。
1957年にはヨーロッパ経済共同体、ヨーロッパ原子力共同体が設立され、フランスとドイツが本格的な戦後の発展に協力して踏み出す。
1951年の関税同盟ヨーロッパ石炭鉄鋼共同体がベースになったのだが、アンが最後のスピーチで「ヨーロッパの協力と発展を願う」と話す場面があるが、まるでその後のEU、通貨統一に繋がるような言葉だ。
日本の戦後政治はアメリカ一辺倒で、ヨーロッパのこうした戦後政治を理解しようとする機運は決して高くなかったと思うが、多くの人に心にとどめおいて欲しいアンの希望を示す発言だ。
ただ、まあ、これはこれ。
オードリー・ヘプバーンのパジャマ姿にはドキッとするし、スペイン広場でアイスを食べるのはもう禁止だけれども、真実の口と併せて絶対訪れたら良いと思う。
それに、ヴェスパを見たらドラマ「探偵物語」の松田優作さんを思い出して欲しいし、もういろいろ見どころ満載のストーリーだと思う。
是非ね。
オードリー・ヘプバーンは本当にかわいい😍