柊

あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。の柊のレビュー・感想・評価

3.4
観る予定はなかったけど「ほかげ」との対比がしたくてきてみた。
でも展開もエンドも予想を超えそうは無いので、期待はまるでしていない。
原作は未読。

ツッコミどころが多過ぎて…何から言えばいいんだか。でもこの手の作品で、若い人がわんさか押し寄せて、号泣してるってホント?と多少疑問符が付くが、まぁそこそこ確かに若者がいた。そして確かに泣いていた。どこで?って思うが…それはまぁ仕方がない。
若者はこの作品で泣いて何を得たかなんだよね。
これはとても美しく表現されているけれど、決して全て作り事では無いし、世界のどこかで常に戦火はある。
これがタイムスリップした女子高生と特攻兵の報われなかった恋物語に酔って涙しているのなら…やれやれと思うが、何か少しでも今の自分の世界がこんな過去を土台にして繋がっていることに目を向けられたらそれはそれでよしと思う事にする。

さて、作品についてですが、戦時下で見た事もないミニスカートはいた女子高生が倒れていました。直ぐに大丈夫ですか?何か食べさせて!このモンペ履きやすくてもう手放せません。って人間はこんなにも簡単に何でも受け入れられるのか?対応能力が高くて恐れ入る。
白百合の群生もちょっと不自然。花が現代のハイブリット系に見えてしまった。九州の白い百合ならテッポウユリかな?って思うがそうでは無かった。
多分特攻隊の出撃基地なら九州?1番有名なのは知覧だけど、そこには触れてないので別の九州?でも空襲を受ける街がそこそこな街だったからいったいどこやねん?現代も普通の街だったけど、近くにあんな立派な資料館がある事を考えるとやっぱり知覧?でも現代の高校生にとっては全然特攻なんて知らん。って感じだしなぁ。
ようわからん。日本のどこかである事は確かなんだけど、そのくらいの認識でいいのか。
特攻、食堂、鶴さんと言えば私の中では知覧しか選択肢は無いのだけれど…ま、いっか。

百合は歴史を知っているし、負け戦の結果は知っているから、津田寛治に恐れる事なく食ってかかっていたけど、愛する彰が特攻兵として戦地に向かう事に関しては、それ程食い下がらず受け入れた。何故?
原作では、現代に帰って彰に似た人と出会うみたいな事を読んだけど、泣かせるなら原作通り彰の家系の関係者と出会うでエンドでも良かったかな。とことん都合良い描き方の方がむしろスッキリしたかも。
他にも何かと都合の良い展開だから、もう最後まで都合良くで良いと思う。タイムスリップの謎とか全然関係ないし。

「ほかげ」との比較なんてしてはいけない事がわかりました。時間の無駄とは思わないけど、何に焦点を絞っているのかわからんかった。
特攻で引き裂かれた愛ですか? 彰と百合が可哀想って事? でも若い人がそれなりに観にきてたから少し点数あげておく。知らないよりは知った方が良い。なんかのキッカケになるといいけど。
柊