カホ

ほつれるのカホのレビュー・感想・評価

ほつれる(2023年製作の映画)
3.8
へーい最高!前作「わたし達はおとな」が大好きでどうしても見たかった加藤拓也さんの新しい映像作品

「おはよ」
「そろそろ布団分厚いのに変えてもいいかな」
「そうだよね持ってきておく」
「ありがと」
旦那の顔が画面に映らなくても、2人の冷え切った関係性を暗示するには十分すぎる一番最初の台詞

綿子(門脇麦)が電車に乗って木村(染谷将太)を見つけた瞬間にふにゃっとにやけてしまう一瞬の表情で、全てが伝わる、十分すぎるカット

「ハマりそうだわぁキャンプ」
「グランピングだからでしょ全部やってもらってるんだから」

「とりあえず、謝ろうか」

ああきっとこういう人は、こういうこと言うだろうなぁの嵐。前作を見た時も思ったけど、この人は日々どれだけ人間観察してるんだろう。
うわっなんか今の発言嫌な感じ〜とか、うわっなんか嫌な感じの早口と声のトーンだな〜とか、見てる側もソワソワしてしまうくらいの居心地の悪い空気感が、ああーーー好き好き好き。モデルルームで引き出し開けたり閉めたりしてるシーンまじでわろた

ほつれたのは、修復できない関係?心の中の蟠り?どちらも?でも不思議と綿子が運転する車が走っているのは、清々しく明るい、長い長い道路に私は見えた!不倫は大前提よろしくないものであるが、壊れた家庭から逃げたい人というのは意外と多くいるものなのだろうか。


▼ほうほう、と思ったインタビュー抜粋

──綿子が木村の妻と対峙するシーン、最初はかなり引き気味で 木村の妻の後ろから2 人を捉えていましたが、気がついたらかなり寄り気味になっていました。秀逸なカメラワークですね。

木村の妻は綿子と夫の間に関係があったことを知り、会って話をすることにしたのだけれど、悲しい姿を見せたくないはず。ここは向き合って座っているけれど、気持ちは向き合っていない2人の画を撮りたかったので、このようにしました。

https://screenonline.jp/_ct/17653177
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