アメリカのイラク侵攻はブッシュによる軍産複合体との癒着による私的な戦争であったのが濃厚だが、確かに迫害を受けていたクルド人にとっては副次的に救いの手であったのかもしれない。
地雷や空の薬莢をカネに変えて逞しく生きる少年の首領サテライトは、独善的なきらいはあるが、基本的には面倒見の良い子。
気になる少女に出会うが、彼女は大きなトラウマを抱えていた…
この映画は正直苦痛だ。救いがない。
しかしハリウッドのビッグバジェットムービーの様にはアッサリ忘れられない。
アメリカによる侵攻によりバース党による政権は倒れたが、ここから更に8年もの間、内乱は続く。
少女が目の悪い自身の子供に愛情を注げない理由も分かるが、幼児にそれは分からない。この子には、どうやって演技をつけたのだろう?
両手のない子、脚の悪い子、目の悪い子…
今でも逞しく生きているのだろうか?
我々が知る絶望よりも、もっと深度が深いだろうから。