キヨ

哀れなるものたちのキヨのネタバレレビュー・内容・結末

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

原作読了。結構原作と変わってて、意外だった。すごいハッピーエンドになってて驚いた。監督どうした。

身投げした妊婦を助けた天才医師ゴッドは、死した体に胎児の脳を移植し、ベラバクスターという新たな生を与えた。大人の体に子供の脳。好奇心旺盛なベラは世界が見たいと、ゴッド公認の駆け落ちの旅に出るのだった。

ラストは全然違うけど、原作のポイントをうまく拾って作り上げてたなって印象。原作だと、駆け落ち以降はベラからの手紙っていう体裁で話が進んで、文字の大きさ、書き方、手紙の言い回しなんかから、急速にいろんなことを吸収して成長してるっていうことがわかる。映画だとそもそもベラ視点だから、表情とか、言葉遣いとかから、成長がよくわかる。気がついたら自立した人間になってて、かなりスムーズな運び。
映像とか音楽とか衣装とか、かなり幻想的なつくりで、ファンタジー映画になってた。

原作だと、そもそもがキャンドルの自伝ってことで話が進んで行く(だから、ベラが駆け落ちしている間はベラの手紙によって話が進む)から、ゴッドはひどく醜く描かれていたり、自身のことはあまり酷い描写はしてなかったりと言った風なんだけど、ラストで、語り手がキャンドルからベラにうつり、今までの記述は全部嘘、私(ベラ)はゴッドが作り出した生命体なんかじゃなくて束縛の激しい旦那から逃げてゴッドに匿ってもらっていた女性だし、ゴッドはこんなに醜く酷い人間ではないし、キャンドルは良くも悪くもつまらない人間だっていうどんでん返しがある。ただ、このドンデン返しもどこまで信憑性があるのか微妙な感じで、結局どちらの話が本当かはわからない感じでおわる。
映画は、キャンドルが自伝内で描いてたベラの過去も、ベラが語るヘラの過去も、結構マルっと省かれて、旦那を改造して終わり、女たちで仲良く暮らしていきましょうね、キャンドルくんはほぼ空気みたいな終わりだった。

原作知らない方が楽しめたかも〜〜〜〜
キヨ

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