ガンギマリポテト

哀れなるものたちのガンギマリポテトのレビュー・感想・評価

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
5.0
あらすじと予告編だけ見て、一歩間違えたら知的障害者への差別にならないか不安になったけど、そんなに不快感は無かった。

魚眼とドリームレンズの使い方がマジで最高。前半から後半にかけて変化していく禍々しいプロダクションデザインとか浅いレンズでミニチュアみたいに撮った街とか、美術館みたいな体験だった。演技も素晴らしいし、音楽も良いし、今のところ今年のオスカー作品賞ノミニーの中だったら一番後味が爽やかでカタルシスに満ちてる。何より「こんな映画観たことない!」という純粋なフレッシュさがあって、エマ・ストーン以上に目をカッ開いて2時間釘付けになった映画体験自体が久々だった。もっかい観に行こ!

連想した本はデビ・ブラウンの『アスピーガールの心と体を守る性のルール』。この映画は知的発達に遅れのある女性の自立の物語としても観ることが出来るし、ニューロ・マイノリティが訓練で社会的コミュニケーションを身につけて行く話でもある。つーか自分が勝手にブチあげてる“ニューロ・マイノリティ無双系”ジャンルのド真ん中(笑)
自分もセックスや権力より学問的興味に注意が引っ張られるタイプなんで、ドストライクな映画だったのは言うまでもない。

あと、めっちゃAロマンティックの物語。