とんやん

哀れなるものたちのとんやんのレビュー・感想・評価

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
3.5
個人的にはかなりグロテスクな映画だなと感じた。俳優さん達の演技が素晴らしいのはもちろんの事、そういう視点で物語を作り出せるんだ…とか新しい切り口が多く、作品としては本当に素晴らしいと思いました。

特にエマ・ストーンの動作がとんでもなかった。どんな資料を見まくったらあそこまでの子供の動きができるんだろう…凄い俳優。とんでもない、すべてが。

カメラアングルも新しかった。魚眼レンズみたいなの使ってて、ベラの世界の不安定さとか環境の不自然さとかを映していた。

賞賛の声が多い映画だなと思っているけれども、私個人としては本当に恐ろしくグロテスクな思考の人が考えた物語なのかなと思ってしまった。
全ての人物が、全ての景色が、全ての文化が。
映画に出てくる全てのものが私の目にはグロテスクに映った。
成長の物語・自由への道とも言えると思うし、女性の解放の物語とも言えるけれども、なんだか胸の奥が燻っている感じがする。

こういう気持ちを持てる私は、まだ倫理的に・道理的に間違っていない大人になれている気がしました。

物理的なグロテスクさはあまりないけれども、精神的なグロテスクさはムカデ人間くらいある。
本当に怖かった。最後のお庭の映像とか普通に怖くて食べたものを吐き出しそうな気持ちになりました。
異常だった。異常な日常が何故か美しく見える。2時間20分映画を見てきた人達の感覚を麻痺らせる事に成功している。


エマ・ストーン振り切っててすばらしかった。ウィレム・デフォーはマッドサイエンティスト一直線だないつも。
とんやん

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