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哀れなるものたちのDESKのレビュー・感想・評価

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
3.9
キャスティングや魚眼カメラなど、好みではないのだけれど、傑作としか言いようがないのが凄い。その超ワイドカメラの歪みが、金とセックスと支配欲に塗れた男達の醜悪を映しだす。この監督さんの作品を観る都度、男である事が嫌になってくるのだが、どうしたもんだろう。でも要所要所で笑ってしまうところが、また傑作。

かつて純心なのに見た目だけで差別され、愛する人と結ばれなかった フランケンシュタインの怪物の悲劇。
対して 父性に侵されたMAD科学者、世界をクールに見つめるコミュニストの娼婦、
サイコ将軍を嫌悪しながらも働き続ける使用人、現代のフランケンシュタインの物語はとても一筋縄ではいきません。
でも変わらぬ女性差別を跳ね除けて、自力で幸せを掴み取る、救いのあるモンスターの寓話で良かった。
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