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哀れなるものたちの553のレビュー・感想・評価

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
4.4
最初はおぞましく自分勝手に感じた行為。傷を伴うのだけれどそこにはその人なりの歴史と愛があった。
積極的に傷付きたくないから、より良い世界について思考しない期待をしない。それも一つの生き方。
現実を直視するのは辛い。知るのは辛い。違和感の正体を知るために向き合い続けることはすごく辛いけれど確かに世界が広がる。

教えてあげよう遊んでやろうと相手を下に見て粗暴な態度で振り回そうとしていた奴が、とてつもない知的好奇心と自由さの前では立ち行かなくなる。
より良い世界って何だろうね?最近考えてたテーマと重なってソワソワした。都合の良い世界を作るためには犠牲になる存在がいる。

見ちゃいけない作っちゃいけないグロさのある映像や音なのに、妙に快感があって恐ろしかった笑
この監督の作品、人の愚かさや弱さや残酷さの表現が絶妙だ〜。
ウィレムデフォーの顔面は死んだ爺ちゃんにかなり似てるから好き。
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