女性がthingsから脱却していくさまを描く、言ってみれば今風のマイ・フェア・レディなのだと思う。
でも、この映画はマイ・フェア・レディの数倍痛快。
マイ・フェア・レディでは「男性からの教育」によって自立が達成されるが、今作では「自らで学び取ったもの」で自立が達成されている。
だから良い。
「ポリコレ映画」という呼称も最早忘れられるほどに社会は進歩。
そういった前提を、恐れずに言えば「嫌味なく」見せながら、この映画は極めて原始的な慈愛と暴力を感じることができる。
どうしようもないクソ野郎に死を与えず、一生の絶望を与える。
そこが心地よい。
だから良い。
最高の音楽とビジュアル、過剰なまでのグラフィックは至高。
人間としての諦めなさという愚直を絶対に肯定したい!