みん

哀れなるものたちのみんのレビュー・感想・評価

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
4.6
法治国家とは思えない頓痴気な世界に
とてもワクワクしました。
それから設定意図や自分が感じたことを
言語化しやすい所に据えてくれているのが
とても心地よかったです。

良識な社会で生きるために学ぶ不条理さは
長い人生で少しずつ与えられると
抵抗する気持ちを失ってしまうけど、
そんな毒を急速に与えられたベラは違和感を迷いのない言葉にする。絶望を受け入れないベラにとても憧れを感じました。

しかも怒りや憎しみで拒否する前に
学びたいという気持ちで1度受け入れてみる。
逃げずに共生する可能性を探し、
それでも自分の意志を奪おうとするなら受け入れない。
ベラの一貫性がとても美しかったです。

監督の撮りたい世界観のなかで
俳優さんたちの魅力も伝わってきて
観る側にも寄り添ってくれて
純粋におとぎ話としてもワクワクする最高の映画でした。
みん

みん