スワット

哀れなるものたちのスワットのレビュー・感想・評価

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
3.4
2024年 劇場鑑賞11本目 字幕鑑賞
ヨルゴン・ランティモス監督による、アラスター・グレイの原作小説を映画化した本作。

ベネチア国際映画祭で金獅子賞を獲得し、『女王陛下のお気に入り』のヨルゴン・ランティモスが監督、主演には『ラ・ラ・ランド』のエマ・ストーン(自分的にはクルエラが好きだけど)、その他マーク・ラファロ、ウィレム・デフォーと公開前からこれは面白いだろうと予想させる布陣にどうしてもハードルが高くなってしまう様相でしたが…

基本的なストーリーや設定はとても奇抜ではあるが、一本の筋に沿った展開を見せてくれる事は確か。
ベラの一挙手一投足に鑑賞側は注目してしまうし、彼女は私達人間を新たな視点で許容したり、批判したりとズケズケと核心を突いてくる。
人間達が生きている中、敢えて言葉にしていないことをどんどん言葉や表情、行動で表現しているのが痛快で気持ちいい。

ただ自分の好み的にハマらなかったとこがあるのも確かで、少し映像に疲れてしまったかな…
グロやエロ映像とかは全然苦手ではないタイプなのだが、場面が突如SEXシーンになったり、手術シーンになったりと目まぐるしく前半は変わっていくので頭の中で映像を処理する切り替えがしにくい作品かと感じた。
エマ・ストーンの裸体を観てしまった罪悪感が今も尚残っています。

個人的なお気に入りは船のチャプターでハリー(ジェロッド・カーマイケル)と彼が仕える夫人と初めて出会った際の会話。
好奇心旺盛なベラが初めて対等に意見を交わせる友人と呼べる人間に会えた事に自分も嬉しくなりました。
人間誰しも価値観や興味・嗜好が共鳴し合う他人と出会うと人生に色がついていくのだな〜。
そういう感覚は世界共通なんだと改めて認識しました。
個人的感覚だけどあのシーン以降ベラの見える世界の色が豊かな色合いに変化しているように見えた。

ゴドウィン・バクスター(ウィレム・デフォー)の口から泡みたいなやつ出すのはなんなん?とずっと思ってましたが、ふわっと流されました。
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