しゅん

哀れなるものたちのしゅんのレビュー・感想・評価

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
4.3
見に行ってよかった、映画館で見れたのもよかった
伝わってきたのは、生きることそれも意思を持って生きることの素晴らしさ。家に閉じ込められてた時のベラは、簡単に生き物に対して非道な行いをするんだけど、外の世界に出て、貧困の現実を知ったり、帝王切開の痕を指摘されたりするなかで命の尊さに気付く、ゴッドの死もその一つ。
思い通りにならない現実を前にするんだけど、同時にベラには偏見がなく地に足がついていないような夢や理想があったから学ぶことや自分で考えることの素晴らしさにも気付いた、だから「成長したい」って言ってた
人生において大事なのは何かを変えられるかどうかじゃなくて、理想を描けるかどうか。何も変えられなかったら自己満でしかないんだけど、アレクサンドリアの貧困を変えるのが難しいように、現実はそんなものばかり
軍人の夫に支配されてた頃のベラが自ら命を絶ったのは、従うのみの人生で自分で考える余地なんて残されてる訳がなく理想を描くことがでできなかったからだと思う
この映画で最も哀れだったものをいうなら、命をたった頃のベラと、ヤギと脳を交換されてもう自分で考えることができなくなった軍人かな
もう一回見たい
しゅん

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