あげるくん

哀れなるものたちのあげるくんのレビュー・感想・評価

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
4.7
2024年、始まってまだ2ヶ月しか経っていないけれど、とんでもない作品に出会ってしまった。
もしかしたら、上半期で1番好きな映画かもしれない。

この映画は「生」がメインテーマだと感じた。
生きるということは、欲を満たすということ。
登場人物の欲の形や、その欲を満たす方法が、それぞれ異なっていて、おもしろかった。

大人になると、周りの環境や社会構造を、疑問を持たず、また変えようともせずに、ただ受け入れているけれど、
子供視点で考えたら、かなり残酷だよね。

ベラは、子供の視点(直感的な正しさ)をもってして、タブーに切り込み、その度に傷ついていた。
それでも、現実を諦めることなく、己の正しさを突き詰めて成長していく姿から、強い生命力を感じ、その姿に私は心打たれた。


ただ、1つだけ何度か作中で思ってしまったことがある。
それは、ベラの行動や発言、そして知識への探究心は、裕福で恵まれた親の元で育ったから出来ることだなぁと。

成長過程の間、何をしても、ベラは最終手段として大金をもっていた。
後ろ盾がある人の行動や言動は、そりゃ違うよなぁ…という意地悪い感想は最後まで抜けなかったな。

それにしても、最後のエンドロールの性のメタファーの畳み掛けは賢者タイムすぎw
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