シルバーブレット

哀れなるものたちのシルバーブレットのレビュー・感想・評価

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
4.0
ベラの心象風景というべきか、本作で描かれる独特な世界像にまず呆気にとられる。中世ヨーロッパ(全く知識無いので私個人が想像してる中世)の街並みに近未来的なロープウェイが上空を走っていたり、絵画タッチの、いかにも「暗雲立ち込める」という説明書きがピッタリな雲だったり、本作のただならない世界情景に不快感と困惑を交互に抱きながら引き込まれていく。
後半になってベラが精神的に成熟してくると、ベラが自立して生きようと奮闘していく描写が増えてくるが、独特な世界観に意識が向いてしまうあまり肝心なメッセージ性が頭に入ってこなかった。