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哀れなるものたちのMHRのレビュー・感想・評価

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
4.9
エンドロールで訳もわからず涙が出た。本当に、いったい自分のどこに感応してそんなことになっていたのかは分からないが、概ねとびきり好きな映画だったことは確か。私の話ではなかったがとびきり好きな話だった。私は教養小説が好きで、私は性にかかわる描写が好きで、私は「現代的なカップル」が大好き。ひょっとしてマークラファロとラミー・ユセフが何かあるんじゃないのと思ったが、作中の倫理観にそれは反するよね。死の取り扱い方に関してもそうで、なんだかんだ一貫して「これが私の体、私はベラ・バグスターで、私」という話をしていてよかった。夢みたいに綺麗な航海のシーンがあって、映像はどれも楽しかった。特に否定的ではない意味合いで「これは私のものではない」と思った瞬間が一瞬あって、だからこその4.9。もしこれがあまりに私の話だったらおかしくなっていたから、一歩引いて楽しく愛せる素晴らしさでよかった。
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