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哀れなるものたちの映画ファンのレビュー・感想・評価

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
4.7
飛び降り自殺した妊婦を拾った天才外科医のゴドヴィンは、お腹の中の胎児の脳を妊婦に移植し電気ショックを与えることで蘇生させることに成功する。だが幼児程度の知能で復活してしまったがためにとんでもない事態へと発展してしまうブラックコメディ映画
ベラが外に飛び出すまでは回想シーン以外モノクロ調で描いていたことと、魚眼で撮ったカメラワークや鍵穴から覗きこむようなショットが随所に挟まれこれまでのランティモス作品とは違う魅力が溢れていた
オスカーを受賞したエマ・ストーン演じるベラの変貌はもちろんのこと、ゴドウィン役のウィレム・デフォーの怪演、エマを外へ連れ出す堕落した男ダンカンを演じたマーク・ラファロも素晴らしかった
前半はベラが性を覚えところ構わずマスターベーションを始めたりデリカシーのない行動を起こしてしまったりするのがコミカルに描かれていくが、徐々にそれまで無知なベラを利用していた男たちの恐ろしさが露わになっていき、ホラーへと作品のトーンが変わりながら同時に世間を知ったベラの成長や抵抗を描いていたのも凄まじいなと感じた
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