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哀れなるものたちのmylifeのレビュー・感想・評価

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
4.3
ヨルゴス・ランティモス監督の作品に興味を持ち「哀れなるものたち」を初鑑賞してみた。詳しい内容は何も知らないけど、パッケージのイメージだけで挑んでみたい。

ほう、デフォーおるやん。何か、いかつい存在感。ヒロインにはエマ・ストーン。マーク・ラファエロも出てきた。何かと個性的なキャストかも。

「ロブスター」と「聖なる鹿殺し」とはまた違ったタイプの作風やんね。と言うか全然違う。全てにおいて奇抜な感じばかりやけど本作も相当に癖の強い変わり種の予感しかしない。

しかも、時代背景に注目すると「ロブスター」は、おそらく近未来を描いている。「聖なる鹿殺し」は現在劇。本作はかなりの過去のものだと推測される。フムム…様々な時代を描けるのにも驚きである。

肝心な物語の方は複雑な様に思えて意外とシンプル。序盤はモノクロームな映像が中心で過去のシーンだけをカラーにするとかセンスを感じる。普通は回想シーンはモノクロにするよね。逆転の発想なのかな。

リスボンに到着するようになった頃から何時のまにか、カラー映像中心に切り替わる。それは、街並みや衣装の彩りをより強調する為なのかな。幾つかの国で受賞している作品なだけあって何かとて魅了される感じ。

豪華客船からアレクサンドリアやパリに転々と移動するロードムービーのようなテイスト。もうとにかく、性的な描写が多いので家族で観るのには注意が必要かも。とまぁ、色んなトコロから知識を吸収しているのは分かる感じ。

とにかく、映像がきらびやかで凝りに凝っている。気になったのは魚眼レンズの映像かな。時折、挟むスタイルには、やはりセンスを感じてしまう。豪華な衣装を背中越しに歩いていくショットなんかも格別なのだ。

とまぁ、映像だけでは無く、ストーリーの発想力にも驚かされてしまう。とりわけ、2時間を越える長さではあったが引き込む力は強い。何かと不思議な印象が残る作品でもあった。ランティモス監督は今後もチェックしてみよう。
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