ヒムロ

ラン・ラビット・ランのヒムロのレビュー・感想・評価

ラン・ラビット・ラン(2023年製作の映画)
3.6
シングルマザーのサラは娘のミアの奇行に悩まされ始める。
会ったことのないサラの母に会いたがり、自分を既に幼い頃失踪したサラの妹「アリス」であると名乗り始める。
誰からも聞いていないはずなのに何故ミアは知っているのか。
そして隠していた暗い過去が明らかになっていく…。


サスペンス/ホラー/スリラーとあるがホラーではないかなと。
かなり不気味な雰囲気はありつつ怖がらせようという気はなく、陰鬱で不穏な空気と未知の恐ろしさがあるミアの演技でじっとりとした恐怖を演出している。

しかしちょっと後半の展開までゆっくり過ぎたかなという感じ。
元旦那の件とか父親の件とか全然ストーリーの核に関係ないのが原因にも思える。
切って短くするか、絡めて濃密にするか、どちらかが欲しかった。

ウサギはアリスにかけた不思議な世界への案内人というギミックだったのだろうか。
前半しか出てこないのはちょっと残念。
マトリックスの黒猫的に要所要所に出てきてもいい気もする。
題の「Run Rabbit Run」はうさぎとカメにおいて寝たことで負けたウサギに準えて「努力を惜しむな」みたいな意味かと思うのだが…サラにはなんか合っている気がしなくてピンとこない。
別の意味とか理由を知っている人がいたら教えてください。

しかしオチは最高にクール。
自身の行いが返ってくることだけを暗示して終わる鮮やかで後味の悪い結末はお見事。
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