あるぱか

ボーン・スプレマシーのあるぱかのレビュー・感想・評価

ボーン・スプレマシー(2004年製作の映画)
4.3
はい、ボーン・スプレマシー、シリーズで1番好き。


監督がグリーングラスに変わってお得意の看板手法、手持ち。ブレッブレだけどアクションシーンに緊迫感が出るし、この映画には合ってると思う。ただ、意識し過ぎると酔う。

アイデンティティで後手に回りながら情報収集するというスタンスであったのに対し、今作スプレマシーでは冒頭からぶちギレ、静かに燃えたぎる炎をうちに秘め、いったいなぜ自分を狙うのか、決着をつけに攻勢に出る。
だが今回は孤独な戦いで、それ故に前作よりもボーンは喋らない。相手に質問する時以外は口を開かないスタンス。マット・デイモン、一気に精悍な顔つきになったなぁ。

「愛の終わりは、戦いの始まり」
のキャッチコピー通り、いきなりボーンが捕まり、それでいて完全に無視を決め込む。無駄なことは一切しないし、やることには全て狙いがある。その中でドジなんてしない。情報が全くない状態から1本の電話を逆に利用することによってボーンは相手の懐に入り込む。
相手の監視すらなんなくくぐり抜け、情報を得ていく。たとえ見つかろうがうろたえずに冷静に対処する。


今作一番の見所はモスクワでのカーアクションか。前回よりも迫力が出てた。トンネルでのカール・アーバンとのせめぎあい。最初マット・デイモンが押し込まれてたのに回り込んで、タイヤをパンクさせて自由がきかなくなったところをそのまま分岐に激突させる。これ、どうやって撮影してんの…って感動したくらい凄い。
トンネルの分岐で道は2つに分かれている。暗い道と明るい道。相手のベンツを分岐に乗り上げさせ、とどめをさそうと銃を構えるが、ボーンは銃を降ろして明るい道の方に進んでいく。
これ、三作目のアルティメイタムにも同じ場面あるけど、完全に逆になっていて、ラストで銃を降ろす相手のエージェント。人間兵器といえど人間として自分の意思で選択するシーン。グリーングラスはこの辺意識したんかな。

脚本がしっかりしていて物語のテンポもいい。なんかボーンが難しいことしてるんだけど、セリフなしで視線や表情だけで見てる側も簡単に「察する」ことができるほど、みせ方がうまい。


ラストの女の子あんなに綺麗な子である必要あるん…
告白されて何を考えたか気になる…
謝って済む話じゃないけど、直接謝りに行かずにはいられない、愛を知ったボーンの切ない心境…。
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