Shussissi

夜の外側 イタリアを震撼させた55日間/夜のロケーションのShussissiのレビュー・感想・評価

4.0
@イタリア映画祭2023

5時間半の超大作
さすがにちょっと怯みましたが、逆に映画館じゃないとそんなに集中して観られない、と思い切って行ってしまいました。
このクラスの長さは同じくイタリア映画の「輝ける青春」以来です。あれも6時間でしたが、かなり面白かった。イタリア人は尺にとらわれず、良いと思ったら長くても描き続けると言う事でしょうか?その再現を期待して観に行きました。

ただし、本作は55分ぐらいの短編x6本と言う構成になっていたので観やすかったです。実際にあった1978年のイタリア首相誘拐暗殺事件にスポットを当てた本作品。それを本人、子供のような右腕とも言える部下、父のような存在のローマ教皇、誘拐犯、奥さん、様々な異なる視点から描いた作品。ものすごくリアルに描かれており、ノンフィクションっぽく感じるがそこはフィクション。
夢で史実とは異なる首相生還のシーンがありましたが、それもリアルでしたし作品に深みが有りました。個人的には人間臭さが垣間見える奥さんの章と誘拐犯側の章が結構好きでしたが

巨匠ベロッキオは20年前ぐらいにも「夜よこんにちは」と言う映画でも、この事件の誘拐犯を描いており、彼にとっては相当重要な事件なのでしょう。本作ではその熱意を十分に感じ取る事ができた気がします。
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