なくいら

このろくでもない世界でのなくいらのレビュー・感想・評価

このろくでもない世界で(2023年製作の映画)
3.7
-傷だらけの魂が共振する-

生きるために、ただ生きるために悪の道に進んだ少年が目にした世界とは。

大人は助けてくれない。
出口の見えないトンネルをひたすら彷徨うような、大変心が痛む作品ではあるが、僅かながら存在する心の拠り所が繊細に描かれ、役者の熱意や製作者の覚悟が見える、素晴らしいノワール映画だった。

悪の道に踏み入れることも、悪の道に引き入れることも、生半可な覚悟ではない。
血の滲む思いで生まれた、彼らの強くて脆い絆を前に、何か救う手立てがないのか…と、虚しい思いを抱く。

チョンジェグァンが良すぎてびびった。
見ようによってはブロマンスではあるが、そういう括りで語れないカッコ良さがあった。
なくいら

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