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春画先生のxavierのレビュー・感想・評価

春画先生(2023年製作の映画)
3.8
この世界に一目惚れ…
「春画先生」と呼ばれる変わり者の研究者
芳賀一郎は妻に先立たれ取り憑かれた様に春画研究にのめり込んでいた。一方、目的もなく無為な日々を過ごしていた春野弓子は一郎との出会いを切っ掛けに春画に興味を抱くとともに彼にも惹かれていく。一郎が執筆中の「春画大全」を早く完成させようと焦る編集者の辻村俊介や一郎の亡き妻の姉の藤村一葉の登場により波乱が生じていく…
ストーリーはこんなの感じ。
文学的エロコメディって感じの作品。

開いて置いて有った春画に一目惚れした弓子。そんな弓子に気づき家を訪ねてくるように名刺を渡す一郎…
まぁ傍目から見たら、あんなおじさんが若い女性に春画の事を高らかに喋ってる姿に気持ち悪っ!ってなるのが普通だよね。
でも弓子はそこでは冷静に対処していたが(まぁ、人前だしね)家に帰ると嬉々として喜んでるんだから、なかなかのもんだよね
そして一郎の家を訪ねた弓子は、一郎から春画の解説をみっちりされ、それを嫌がる事もなく冷静に聞いている。一郎と弓子、なかなか変態っぷりだよね。

そんな感じの描写が結構出てくるんだけど
いやらしさはあんまり感じないんだよね。
春画もぼかし無しで映ってるんだけどね…
一郎の解説を聞いていると何気にすごいんだよね春画の技術って…
今みたいに色をつける事が難しかった時代は、肌の白さを出すのが難しかったので、白い紙に肌の部分以外のところを絵付けして肌の部分はそのまま紙の色で表したらしい。そんな事なんて考えたこともなかったから"なるほどなぁ…"って思えたしね。
そう考えるといやらしさより美しいと思えるから不思議だったわ…

ストーリーの方は文学的にエロを真面目に語る姿が、何か面白かった。笑わせようとしてないのにあまりの真面目さに笑っちゃうって感じに近いのかもね。
それに結構な変態っぷりだしね、一郎と弓子はねぇ…
予告編が面白そうだったから観てみたんだけど、期待以上に面白かったなぁ…
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