平田一

アポカリプトの平田一のレビュー・感想・評価

アポカリプト(2006年製作の映画)
5.0
"文明が滅ぶ予兆は、外部ではなく内部から来る"

メル・ギブソンが伝えたいのは、そういうことではないかと思った。

とてつもない"追われる者と追う者との攻防戦"は、尋常じゃない恐怖心と原始的な快楽があって、同時に無数のメッセージを見ていて沢山感じました。他者の世界を蹂躙すれば、必ず蹂躙され返される。蛮行を文明の栄華の為のシステムにすれば、必ずしっぺ返しを食らう。そこから逃れる術はない。ジャガー・パウの地獄の旅路は、非常にシンプルなプロットですけど、その先にはそれを遥かに越えた"何か"が詰まっていました。それが何かは、見た人たちと語り合いたいパワーがあるし、間違いなく浅い娯楽じゃ体感できない"未知"そのもの。全編マヤ語で構成したのも、ホントに溜飲が下がりました!

とにかく非常に素晴らしかったし、何より永遠不朽のテーマをこれほど見事に具現化していて、まさに"観客を未知の世界へ連れてく"映画の鑑でした!
平田一

平田一