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名探偵ポアロ:ベネチアの亡霊のKUBOのレビュー・感想・評価

3.7
ケネス・ブレナーによるアルキュール・ポワロシリーズ第三弾。

『オリエント急行』『ナイル』と来て、次は『クリスタル』かと思ったら『ハロウィーン・パーティ』だった(笑)。

冒頭、美しいベネチアの街並みから始まると、またこのポワロの世界に戻ってきた喜びでいっぱいになる。

本作が今までの2作と決定的に違うのは、オカルティックな要素だ。

降霊会、死んだ少女の霊、子供の亡霊が出るという屋敷…

常に沈着冷静なはずのポワロが、謎のオカルト現象に困惑する。こんなポワロは見たことない!

そして降霊術を行う霊媒師を演じるのが『Everything Everywhere All at Once』のミシェル・ヨー!

もちろんアガサ・クリスティだから謎解きはきちっと論理的に終わるんだけど、グレーな感じを残した演出は好み。

オカルトに傾倒したっていうとコナン・ドイルが有名だけど、実はアガサ・クリスティも降霊会にはかなり関心があったよう。

豪華絢爛の贅を尽くした前2作とは、大きくテイストが変わったが、それがケネス・ブレナーのねらい。

美しいベネチアを舞台に、オカルティックな事件に挑む名探偵ポワロ。これもまた楽し。
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