田山信行

AIMEE エイミー マリーン・フォースの田山信行のレビュー・感想・評価

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アメリカでこの手のものが増えてきているのだろうか。性搾取ヴィジランテ映画。アフガニスタンの戦地で少女爆弾によってPTSDを患った主人公ジェシカはアメリカへ帰還するが故国でも少女が消費される地獄が続いていた。

どこまで現実に沿っているのか分からないが平和な住宅地に誘拐された少女の監禁場所があるなんて考えられない話だ。

どんなに許せぬ悪虐な輩でも私刑は許されることではない。フィクションだから成り立つ。フィクションだからこそアクションによって穿てるのだ。劇中の様に武装して実力行使とまではいかないがSNS上では感情のままに私刑が横行していっている様に感じる。

現実と空想の区別がつかなくなっている。どんなに納得いかなかろうが現実では適法で正当な闘い方をすべきだ。辛かろうとも。じゃなきゃフィクションまで成り立たなくなってしまう。

この映画では実力行使に踏み切るまでも現実に即したリスクをしっかり描写していて最終的には法的な責任も負う。性加害が現実に起こっていて絵空事ではないと描写する以上しっかりとしたバランス。単なるエンタメアクションに逃げないスタンスは素晴らしい。上記に書いた点も含めて。

そのぶんメリハリのある展開には欠けており明快なカタルシスは薄いが、そう単純なアクションを期待するべき作品ではない。
田山信行

田山信行