おかちゃん

コンサート・フォー・ジョージのおかちゃんのネタバレレビュー・内容・結末

4.3

このレビューはネタバレを含みます

「静かなるビートル」…。
John&Poulの個性に比べやや地味がちではあるが、残した物の多様さに改めて驚かされる。この種の集いは、同窓会的ノリで進んでいくものが多い。しかし、そこでは留まらない映画。勿論演奏は、チョー有名処が並びStudioリハ風景と上手く切り替えながら文句つけようがない。George の好きなモンティ・パイソンが取り入れられ場面変化し飽きさせない辺りも、Claptonと制作側の編集良さが光る。
・次第にGrorgeの楽曲に、改めて引き込まれて行く。そのメロディに潜む英国的な憂いや繊細さに魅了される。同時に大英帝国の深さをも感じる。
・Joe Brownが登場し、60年当初の英国スキッフルムードが漂う。Georgeのメロディに無いタッチで雰囲気を添える。60年代当初の英国ムードとデビュー前の彼らを思い出す。あとGeorgeは、死直前絡みもあったようだ。
・歳とった彼らは、当時と変わらぬ情熱でインド音楽と融合を試み、素晴らしいムードを生み出す。RingoがPhotographを歌い始めると自身Redioで初めて聴いた情景を想いだし、恥ずかしながら僅か涙す。あのビートルは、もう二人しか存命しておらず、時の流れを感じる。あの頃からいろいろな事があったが、しかし何も変わっていない事柄に思いを馳せてしまう。最後は、会場全体がGeorge魂に想いを馳せながら、フィナーレを迎える。
Clapton の友への想い「やりきった」感が、再び涙を誘う。素晴らしいコンサート映画だった。日本でこのような作品を作る事が出来るだろうか?

・追記=最後は「やはり」というか、当然というか"While My Guitar…"Clapton は、オリジナルに忠実なフレージングで鳴かせるが「何故ギターは泣くのか…?」私の哲学的命題にも想いを馳せることになった。

追記=2024.02.17 豊橋で再鑑賞