ワンコ

コンサート・フォー・ジョージのワンコのレビュー・感想・評価

5.0
【ジョージに会いに映画館に行く】

日本でもこんな最高なコンサートがあれば良いのにと思わせるが、世界中の人が映像で楽しめるんだから、それはそれで良い。

ジョージはいないけれども、ジョージが確かにいるように感じられるコンサートだ。

映画のフライヤーには、クラプトンやリンゴ、マッカートニーが云々と書いてあるけど、それだけじゃない。トム・ハンクスまでいて本当に楽しそうだ。

僕のジョージの作品の入り口は、中学1年の時に従妹の家で聴いた「リボルバー」のなかの「タックスマン」なのだけれども、従妹にタックスマンって何?って聞いたら、多分、税務署の人って教えてくれて、なーんだ、ウルトラマンとかと違うんだとアホな感想言って笑われたのを覚えている。歌詞の内容がよく分からないと言ったら、ちょっとは英語のできる伯父が、いくら頑張って働いても、税金を払ったらほとんど使うお金は残らないということだと結構大笑いしながら教えてくれた。その後、働くようになって、税金を払っても、まあある程度は残るけれども、税金は高いよなとか、それでも当時の「ゆりかごから墓場まで」のイギリスよりはましかなんて考えるようになって、けっこう僕も大人になったと思う。

ビートルズは、いろいろあって解散したけれども、”大人”になって方向性が違ったのだし、それでも、こうして残ったものとプラスアルファで再結集して楽しくできるのだから、皆良い大人になったのだと思う。

映画「Meeting the Beatles in India」のレビューでも書いたけれども、アルバム「The Beatles (通称「ホワイト・アルバム」)」の中の、ジョージの「While My Guitar Gently Weeps」の録音にリード・ギターとして招かれたクラプトンが、映画の終盤にこの曲を歌ったときはジンとくるものがあった。クラプトンは、「Give Me Love」や「Isn't it a Pity」が好きと言っていたけれども、「While My Guitar Gently Weeps」はやっぱり名曲中の名曲だと僕は思う。「Here Comes the Sun」や「Something」は、ファンが多い曲だと思うけれども、こうした曲も演奏されますよ。

因みに、観客が横断幕「My Sweet George」を掲げていたけれども、これは「My Sweet Lord」をもじったものだし、ジョージのファンはやっぱり多いんだなと改めて思った。

Apple MusicでジョージのEssentialsを開くと、人気の曲のリストだけで80曲もあって、4時間越えだ。やっぱり、すごいなと感心もした。

是非、ジョージはいないけれども、ジョージに会いに映画館に足を運んでみてください。
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